今年も昆布の生産時期が近づいてまいりました。今回は、近年の北海道産昆布を取り巻く状況と、これからの昆布業界について、弊社の考えをお伝えいたします。
北海道ぎょれんから発表された今年の生産予測は、約8,400トンと非常に厳しい数字となっています。
直近10年間の平均生産量が約12,000トンであるのに対し、一昨年は約8,200トン、昨年は約9,900トンと、低い水準が続いています。今年も一昨年に迫る、場合によってはそれ以上に厳しい状況となることが懸念されています。
価格面では、すでに一部の産地で入札が始まっていますが、これまでの価格感覚では原料の確保が難しいほどの高値となっています。
北海道産昆布の生産量は、約35年前におよそ33,000トンのピークを迎えて以降、長期的な減少傾向が続いています。特に天然昆布については、資源の減少に歯止めがかからない厳しい状況にあります。
一昨年の大幅な減産を受け、北海道では生産対策に関する委員会が設けられ、さまざまな取り組みが進められています。しかし、海水温の上昇をはじめとする海洋環境の変化に対し、抜本的な解決策を見いだすことは容易ではありません。
【関連資料】
○コンブの生産安定対策.pdf
こうした状況に対して、昆布業界として取り組むべき方向性は、大きく次の3つであると考えています。
- 生産者・産地・行政・研究機関・民間企業が連携し、中長期的に養殖昆布の生産を増やすこと
- 北海道産昆布の価値をこれまで以上に高め、その特長を生かした商品や用途をつくること
- 北海道産昆布を補完する原料として、品質を確保した輸入昆布を適切に活用すること
このうち一つだけを選ぶのではなく、三つの取り組みを並行して進めていく必要があります。今まさに、昆布業界全体として今後どのような姿を目指すのかが問われています。
産地では、漁業者の減少が続く中、海水温の変化や、10年前には見られなかった付着物などへの対応にも追われています。そのような厳しい環境の中でも、漁業者の皆さまは、時には寝る間も惜しみながら、手間と時間をかけて昆布を生産されています。
一方、中国・韓国・ロシアなどから輸入される昆布についても、決して品質を軽視して流通させているわけではありません。日本昆布協会をはじめとする業界関係者が、長年にわたって検品会を重ね、日本の市場で安心して使用できる品質の昆布を選定してきました。
原料価格が上昇するのは、限られた供給に対して需要が集まるという市場原理によるものであり、特定の誰かが悪いという問題ではありません。
これからは、「高くなったから使わない」「中国産昆布が入っているから買わない」というだけではなく、変化する環境や資源量に合わせて、原料の組み合わせや商品のあり方そのものを考えていく必要があります。
中嶋食品工業には、昆布を扱うお客さまに、これからも昆布を使い続けていただける環境をつくるという使命があります。
北海道産昆布の価値を守りながら、用途に応じて輸入昆布も適切に活用し、変わりゆく環境に対応した原料と商品をご提案することで、昆布という食文化を未来へつないでまいります。
また、弊社ブランド「こだわりの頑固屋」では、国産原料100%にこだわった商品づくりを続けています。
国産原料にこだわるということは、年々希少になっている大切な資源を使わせていただくことでもあります。そのこだわりが本当に持続可能なのか、私たち自身も常に考え続けなければなりません。
それでも、国産の資源がある限り、その価値を大切にし、生産者の皆さまの努力を商品としてお客さまにお届けしてまいります。
今後とも、中嶋食品工業ならびに「こだわりの頑固屋」を、何卒よろしくお願い申し上げます。